KEY POINTS — この記事の要点
スカウトの返信率は、公開記事では一般的に5%前後、または5〜10%が目安とされるが、調査の方法や母数は示されておらず、職種と媒体で大きく変わる。
返信率は「返信のあった人数 ÷ 送った人数」で測り、何を返信と数えるか、送ってから何日以内を数えるか、職種・求人・媒体のどの単位で分けるかを先に決める。
返信率を上げる要素は、件名で送った理由を伝えること、冒頭の3行で経歴のどこを読んだかと最初の一歩を示すことで、送る時間帯の効果を測った公開データは見当たらない。
スカウトの返信率の目安は何%?
スカウトの返信率は、公開記事では「5%前後」や「5〜10%」が一般的な目安として紹介されています。ただし、どちらも調査の方法や母数は示されておらず、職種と媒体で大きく変わる数字です。
| 出典 | 書かれている数字と注意点 |
|---|---|
| @SOHO「スカウト代行の費用相場」(2026年8月23日更新) | 一般的に5%前後が一つの目安。大きく下回るなら見直しが必要。媒体や職種によるとの注記あり。集計の方法は示されていない |
| Wantedly「スカウトメールの返信率を上げるコツ」(2026年10月8日更新) | 平均返信率は一般的に5〜10%と言われる。「と言われる」との表現で、出典は示されていない |
| 同上 | Wantedly利用企業で、最も返信率の高い企業は49.3%。2020年12月〜2021年2月、送信数100通以上の企業での集計。媒体自身のデータで、期間も古い |
この数字から言えるのは、「数%台が多いが、上位の企業は桁が違う」ということまでです。自社の返信率が5%を下回っていても、その職種では普通のこともあります。他社の平均と比べるより、同じ職種・同じ媒体での自社の推移を見る方が、打ち手の判断に使えます。
返信率はどう測る?
返信率は「返信のあった人数 ÷ 送った人数」で測ります。比べられる数字にするには、何を返信と数えるか、いつまでの返信を数えるか、どの単位で分けるかの3つを先に決めます。
FORMULA — 計算式
返信率 = 返信のあった人数 ÷ 送った人数
例: 200人に送り、送ってから14日以内に12人から返信 → 返信率6%
- 何を返信と数えるか: 辞退の返信も含めるか。含めない「前向きな返信率」も別に出すと、文面の良し悪しが見えやすい
- いつまでを数えるか: 送ってから何日以内の返信を数えるかを固定する。期間が違う数字は比べられない
- どの単位で分けるか: 職種・求人・媒体・文面の型ごとに分ける。混ぜると、どこが効いたか分からない
返信率は送る数が少ないとぶれます。返信率5%なら、100人に送って返信は5人ほどです。2人の差は偶然でも起きるので、文面を比べるときは、それぞれ数百人に送ってから判断します。返信から面談までの率は面談設定率の上げ方で扱っています。
返信までの4つの関門
候補者が返信するまでには、「届く」「開く」「読む」「返す」の4つの関門があります。返信率が低いときは、どの関門で止まっているかを先に見ます。
| 関門 | 止まっている合図 | 見直すもの |
|---|---|---|
| 届く | そもそも送る相手が条件に合っていない | 送る相手の条件、送る時間帯 |
| 開く | 開封が分かる媒体で、開封の率が低い | 件名 |
| 読む | 開封はされるのに返信が無い | 冒頭の3行、条件の書き方 |
| 返す | 「興味はあるが」という返信が来ない | 最初の一歩の軽さ(30分の面談、日程調整リンク) |
件名で何を伝える?
件名では「なぜあなたに送ったか」を一言で伝えます。候補者の受信箱には他社のスカウトも並ぶので、会社名や「特別なご案内」だけの件名は、開かれる理由になりません。
| 開かれにくい件名 | 開かれやすい件名 |
|---|---|
| 【スカウト】株式会社〇〇よりご案内 | 物流倉庫の立ち上げ経験を拝見し、ご連絡しました |
| あなたにぴったりの求人があります | 法人営業8年のご経験に、新規事業の立ち上げをお願いしたい |
| 【急募】年収アップのチャンス | RC造の現場管理のご経験について、30分お話しできませんか |
開かれやすい件名に共通するのは、候補者の経歴の具体的な言葉が入っていることです。件名で経歴に触れておけば、本文を開いた候補者は「自分の経歴を読んで送ってきた」と分かった状態で読み始めます。件名を含む文面全体の組み立てはスカウト文の書き方にあります。
冒頭の3行で何を伝える?
冒頭の3行では、「経歴のどこを読んだか」「その経験をどこで生かしてほしいか」「最初に何をしてほしいか」を伝えます。会社の紹介は、その後で十分です。
- 読んだところ: 経歴のどの仕事に目が留まったかを、候補者の言葉で書く
- 生かす場所: その経験が、この求人のどの仕事につながるかを1文で書く
- 最初の一歩: 「まず30分、オンラインで話しませんか」のように、返信の負担を小さくする
条件(年収・勤務地・働き方)は、冒頭の近くに書きます。条件が分からないスカウトは、候補者にとって返信するかどうかを決められない文面です。条件を後回しにすると、興味のある人まで返信を先送りします。
送る時間帯で返信率は変わる?
送る時間帯が返信率に与える影響を、方法を示して測った公開データは見つかりませんでした。「8時〜18時に送るのが理想」とする記事はありますが、根拠の数字は示されていません(出典: Wantedly「スカウトメールの返信率を上げるコツ」(2026年10月8日更新))。
時間帯は、件名や冒頭より効き目が小さいと考えるのが妥当です。どんなに良い時間に届いても、件名が誰にでも当てはまれば開かれません。そのうえで時間帯を確かめたいなら、自社の数字で試します。
TEST — 時間帯の試し方
同じ求人・同じ文面の型で、送る相手を2つに分ける/片方を朝、片方を夜に送る/それぞれ数百人に送り、同じ日数で返信率を比べる
比べるときは、時間帯以外の条件を変えないことが大切です。曜日・文面・送る相手の条件が違うと、差が時間帯によるものか分からなくなります。深夜や早朝の送信は、候補者の生活を想像して避けておくのが無難です。
職種によって返信率を決めるものは違う?
違います。候補者が最初に確かめたいことが職種ごとに違うため、件名と冒頭に置くべき内容も変わります。職種別の返信率の数字は、出典のある公開データが見つからないため、ここでは数字ではなく「返信を決めるもの」を並べます。
| 職種 | 返信を決めるもの |
|---|---|
| エンジニア | スカウトを多く受け取るので、技術の課題を名指しする |
| 営業 | 商材と顧客の重なり、報酬の仕組みを1文で示す |
| 施工管理 | 休日を制度でなく実績で、工種と規模を経験と並べる |
| 看護・介護 | 勤務の条件と通勤を冒頭の2行に置く |
| ドライバー・物流 | 1日の運行を時刻で、免許と車両を合わせて書く |
| 飲食・販売アルバイト | シフトの重なりを1行で、返事を早くする |
| 経理・管理部門 | 任せる範囲を工程で、道具と体制を名詞で書く |
| 管理職・ハイクラス | 経営者の名義で、経営の課題を書く |
たとえばエンジニアは、多くのスカウトを受け取るため、開かれる前に埋もれがちです。看護・介護やアルバイトは、条件が合わなければ本文が読まれません。管理職は、転職を急いでいない人が多く、採用担当からの定型文は読まれにくくなります。職種ごとの文面の例とNGは、表の各職種のページにあります。
1人ずつ書いて返信を増やす
FAQ