KEY POINTS — この記事の要点
ダイレクトリクルーティングの代行で外注できるのは、ターゲットの設計の下書き、候補者の選定、文面の作成、送信の操作、返信の一次対応までで、面談・選考・採否は自社に残す。
代行の費用は月額型・従量型・成果報酬型の3つの形があり、それとは別に媒体の利用料がかかる。
媒体ごとに、社外の者の操作、AIや自動化の利用、送信の上限、候補者情報の扱いを、媒体と契約している企業が規約で確かめる。
ダイレクトリクルーティングの代行で外注できる範囲は?
ダイレクトリクルーティングの代行で外注できるのは、ターゲットの設計の下書きから、候補者選び、文面の作成、送信の操作、返信の一次対応までです。面談から先の工程は自社に残します。
ダイレクトリクルーティングは、企業が媒体のデータベースから候補者を探し、自らスカウトを送る採用の手法です(基本はダイレクトリクルーティングとは)。手間の大半は「探す」と「書く」にかかります。代行は、この手間のかかる部分を引き受けるサービスです。
| 工程 | 中身 | 外注 |
|---|---|---|
| ターゲットの設計 | 求める経験・条件・除外条件を決める | 下書きは外注できる。決めるのは自社 |
| 訴求の設計 | 候補者に伝える仕事の魅力を言葉にする | 外注できる |
| 候補者の検索・選定 | 媒体のデータベースから送る相手を選ぶ | 外注できる |
| 文面の作成 | 件名と本文を1人ずつ書く | 外注できる |
| 送信の操作 | 媒体の管理画面から送る | 外注できる(自社の名義) |
| 返信の一次対応 | 日程調整リンクを案内し、簡単な質問に答える | 外注できる。条件の交渉は自社 |
| 数字の振り返り | 返信率・面談数を見て、対象と文面を直す | 外注できる。方針は一緒に決める |
| 面談・選考・採否 | 候補者と話し、評価し、採るかを決める | 自社に残す |
どこまでを含むかは代行会社ごとに違います。同じ「スカウト代行」でも、送信の操作だけを受ける会社もあれば、設計から振り返りまで受ける会社もあります。見積もりの前に、この表のどの行が含まれるかを確かめると、範囲の違う見積もりを金額だけで比べる失敗を避けられます。
自社に残す工程はどこ?
自社に残すのは、面談・選考・採否の3つです。候補者の人柄や相性を見て、採るかどうかを決めるのは、一緒に働く会社にしかできない仕事だからです。
- 面談: 候補者と初めて話す場。カジュアル面談でも、会社の人が出る
- 選考: 書類や面接で評価する。評価の基準は自社で持つ
- 採否と条件: 採るかどうか、年収や入社日などの条件を決めて伝える
面談の場で何を話すかは、スカウトで伝えた理由とつながっている必要があります。スカウトで「この経験に惹かれた」と書いたのに、面談でその話が出なければ、候補者は温度を下げます。代行に任せる場合も、送った文面は自社で読めるようにしておきます。返信から面談までの設計は面談設定率の上げ方にまとめています。
代行に渡すもの
代行に渡すのは、「送るための道具」と「書くための材料」と「数えるための仕組み」の3種類です。
| 種類 | 渡すもの |
|---|---|
| 送るための道具 | 媒体のアカウント(操作できる権限)、必要なら採用管理システムのアカウント |
| 書くための材料 | 求人票、会社と事業の説明、求める人物像、過去に採用できた人の傾向、送ってはいけない相手の条件 |
| 数えるための仕組み | スカウト専用の日程調整リンク、面談の結果を共有する方法 |
「送ってはいけない相手」は見落とされがちです。過去に不採用にした人、選考中の人、取引先の社員など、自社の事情で声をかけない人の条件を最初に渡しておくと、送ってから気まずくなることを防げます。
代行の費用はどんな形?
ダイレクトリクルーティングの代行の費用は、月額型・従量型・成果報酬型の3つの形があり、これとは別に媒体の利用料がかかります。媒体の利用料は企業が媒体と契約して払うのが一般的です。
| 費用の形 | 相場とされる額 | 払う時点 |
|---|---|---|
| 月額型 | 月15万〜50万円 | 契約した月から毎月 |
| 従量型 | 1通500〜2,000円 | 送るたびに |
| 成果報酬型 | 面談1件1万〜3万円、採用1人30万〜100万円 | 面談・採用が決まったとき |
| 媒体の利用料 | 媒体と契約内容による | 媒体との契約に従う |
相場の出典: @SOHO「スカウト代行の費用相場」(2026年8月23日更新)。
自社の工数も費用に入れて考えます。代行に任せても、面談・選考・採否の時間は自社でかかります。反対に、自社で運用する場合は、候補者を探して1人ずつ書く時間が担当者の人件費として毎月かかります。料金の形の比べ方はスカウト代行の費用相場と料金体系で、成果報酬型の選び方は成果報酬型スカウト代行の選び方で解説しています。
媒体ごとに何を確かめる?
媒体ごとに確かめるのは、「社外の者が操作してよいか」「AIや自動化を使ってよいか」「送信の数に制限があるか」「候補者の情報をどこで扱ってよいか」の4点です。確かめるのは、媒体と契約している企業です。
ダイレクトリクルーティングの媒体には、ビズリーチ、doda ダイレクト、Wantedly、LinkedIn などがあり、職種や対象の層で使い分けられています。どの媒体も、送信の上限や機能、利用規約の中身は契約の内容や時期で変わります。この記事では媒体ごとの仕様や可否は扱いません。
CHECKLIST — 媒体の規約で見る点
アカウントを社外の者と共有して操作してよいか/スカウトの作成・送信にAIや自動化を使ってよいか/送信の数や頻度に上限があるか/候補者の情報を媒体の外で扱ってよいか
分からない点は、媒体の窓口に問い合わせて記録を残します。法令の整理はスカウト代行は違法か(職業安定法の基礎)にあります。
自社で運用するか、代行に任せるか
分かれ目は、「1人ずつ書く時間を毎週確保できるか」です。確保できるなら自社で運用し、できないなら代行に任せます。送る数が少なくても、1人ずつ書く手間は変わりません。
| 状況 | 合いやすい形 |
|---|---|
| 採用担当が週に数時間、スカウトだけに使える | 自社で運用 |
| 採用担当が他の仕事と兼務で、送る時間が取れない | 代行 |
| 初めてで、どの訴求が効くか分からない | 代行で設計から始め、型ができたら自社に戻す |
| 複数の職種を同時に募集している | 代行(職種ごとに文面を分ける手間が大きい) |
自社で運用する場合も、最初の数か月だけ代行に任せ、効いた件名や理由の型を社内に引き継ぐ方法があります。その場合は、送った文面と返信率の記録を受け取れる契約にしておきます。
代行を始めるまでの流れ
代行を始めるまでの流れは、「範囲と費用の形を決めて契約する」「アカウントと材料を渡す」「文面の見本を確かめて送り始める」の3段階です。
- 契約: 前の表で、任せる工程と自社に残す工程を決め、費用の形を選ぶ
- 受け渡し: 媒体のアカウント、求人と人物像の材料、日程調整リンクを渡す
- 見本の確認と送信: 数人分の文面の見本で、会社の言葉づかいと訴求が合っているかを確かめてから送り始める
送り始めてからは、週ごとに返信率と面談数を見ます。職種によって効く訴求は違い、たとえば施工管理なら休日の実績、ドライバー・物流なら1日の運行の書き方が返信を左右します。
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