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人材紹介の手数料は、理論年収の何%か

法令の決まりと厚労省の集計で見る相場

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KEY POINTS — この記事の要点

  • 人材紹介の手数料は、採用が決まったときに払う成功報酬で、多くは「理論年収×料率」で決まる。料率は紹介会社が届け出た手数料表で決まり、法令に数値の上限は無い(届出制手数料)。

  • 厚生労働省の集計(令和6年度の実績)では、事業所ごとの平均手数料率は全職種で24.0%。法人・団体管理職員、情報処理・通信技術者、営業などは30.0〜34.6%だった。

  • 比べるときは、人材紹介・採用課金・面談課金・月額型を同じ理論年収と人数の総額にそろえる。そのうえで返金規定と、相手が受け持つ業務の範囲を並べて確かめる。

人材紹介の手数料の仕組み

ANSWER

人材紹介の手数料は、紹介された人の採用が決まったときに求人企業が払う成功報酬です。額の多くは「理論年収×料率」で決まります。

人材紹介(有料職業紹介)は、紹介会社が求職者を集め、求人企業に推薦する仕組みです。初期費用はかからず、採用が成立した時点で手数料が発生する形が一般的とされています(リクルートエージェント 中途採用ノウハウ「人材紹介の手数料の相場はどれくらい?仕組みや計算方法に関しても解説」(2025年4月21日公開・2026年6月9日更新))。

計算の基準になる理論年収は、採用した人が1年間働いたときに支払われる見込みの年収です。同じ記事が示す出し方は「月給(基本給+残業代+各種手当)×12+賞与+成果報酬(インセンティブ)」です。基本給だけで見積もると、請求額は想定を上回ります。

FORMULA — 手数料の式

手数料 = 理論年収 × 料率

例: 理論年収500万円・料率35%なら175万円(税の扱いは契約による)

料率は紹介会社ごとに違い、同じ会社でも職種や役職で変えることがあります。法令で一律に決まっていないのは、次の節の「届出制」のためです。採用1人にかかる費用の全体像は、ピラーの記事採用単価の平均は、どの統計で分かるかで整理しています。

法令が定める2つの手数料

ANSWER

職業安定法は、求人企業から取る紹介の手数料を「上限制」と「届出制」の2つに限っています。上限制は額の最高が省令で決まり、届出制は届け出た手数料表に従うので、料率の数値の上限はありません。

職業安定法32条の3第1項は、有料職業紹介事業者が受け取れる手数料を2つの場合に限ります(e-Gov法令検索「職業安定法」(昭和22年法律第141号))。1つは省令で種類と額を定めたもの、もう1つは厚生労働大臣に届け出た手数料表に基づくものです。求職者からは、原則として手数料を取れません(同条第2項)。

区分根拠額の決まり方
上限制手数料法32条の3第1項1号、施行規則20条1項・別表紹介手数料の最高額は、支払われた賃金の11%(免税事業者は10.3%)。6か月を超えて雇われた場合は6か月分の賃金で計算する
届出制手数料法32条の3第1項2号、施行規則20条5項事業者が作った手数料表を、厚生労働大臣に届け出る。法令に料率の数値の上限は無い

上限制の別表には、もう1つの計算もあります(e-Gov法令検索「職業安定法施行規則」(昭和22年労働省令第12号))。期間の定めのない雇用で、6か月を超えて雇われた場合の式です。臨時の賃金と、3か月を超える期間ごとの賃金を除いた額に14.8%(免税事業者は13.9%)を掛けます。11%の式と比べ、大きい方が最高額です。

EXAMPLE — 上限制の計算(当編集部の計算)

月給30万円・6か月の間に賞与なし・期間の定めのない雇用の場合

11%の式: 30万円×6か月×11% = 19.8万円

14.8%の式: 30万円×6か月×14.8% = 26.64万円 → 大きい方の26.64万円が最高額

届出制の手数料表は、役務の種類ごとに手数料の額と負担する者が分かる形で作ります(施行規則20条3項)。厚生労働大臣が変更を命じられるのは、2つの場合です。特定の者を不当に差別するときと、額などが明確でなく著しく不当なときです(法32条の3第4項)。額が高いことだけを理由とする上限の定めは、条文にありません。

実際の手数料は、ほぼすべてが届出制です。厚生労働省の集計では、令和6年度の手数料の合計は約9,835億円でした(厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」(令和8年3月31日公表))。表の金額から当編集部が計算すると、届出制の手数料が全体の約99.7%を占めます。同じ集計の常用就職1件あたりの手数料は約103万円です。

紹介とスカウト代行の法律上の線引きはスカウト代行は違法?職業安定法の基礎で解説しています。どの形で採用を任せるかの判断と、許可の要否の確認は、依頼する企業の責任で行います。

料率の実勢は何%か

ANSWER

厚生労働省の集計(令和6年度の実績)では、事業所ごとの平均手数料率は全職種で24.0%でした。30〜35%前後になるのは、管理職員・情報処理・営業・経営金融などの職種です。

2025年4月から、紹介会社は職種別の手数料率の実績を開示する義務を負いました(厚生労働省「職業紹介事業における職種別手数料、離職状況について」(令和6年度の手数料率実績・令和7年10月末時点の掲載分))。開示の先は、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」です。手数料率は、手数料を就職者の1年間の見込み賃金で割った値の平均です(施行規則24条の8第3項4号)。理論年収に対する料率と、ほぼ同じ考え方の数字といえます。

職種別の平均手数料率実績と、最も多い料率のレンジ
職種平均手数料率実績多いレンジ
全職種24.0%—
医師22.0%20.1〜30.0%
看護21.6%20.1〜30.0%
保育24.3%20.1〜30.0%
介護20.2%20.1〜30.0%
一般事務・秘書・受付の職業24.1%20.1〜30.0%
法人・団体管理職員33.9%30.1〜40.0%
情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発)31.2%30.1〜40.0%
情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く)30.0%30.1〜40.0%
経営・金融・保険の専門的職業34.6%30.1〜40.0%
営業の職業31.2%30.1〜40.0%
職種別の平均手数料率実績と、最も多い料率のレンジ(令和6年度の実績・令和7年10月末時点の掲載分)。人材サービス総合サイトに載った事業所ごとの値(常用就職が多い上位5職種。全職種で5,659件)の単純平均で、就職件数の重みづけは無い。多いレンジは資料の本文の記載。出典: 厚生労働省「職業紹介事業における職種別手数料、離職状況について」(令和6年度の手数料率実績・令和7年10月末時点の掲載分)

この表から言えることは3つです。まず、全職種の平均は24.0%で、「30〜35%」より低いこと。次に、医療・介護・保育と一般事務は20%台に集まること。最後に、ホワイトカラーの専門職と営業は30%台が多いことです。

民間の記事が示す数字は、この上の方に寄っています。リクルートエージェントの解説記事は「35%の設定が一般的」とし、採用の難しい職種では35%以上もあるとしています(リクルートエージェント 中途採用ノウハウ「人材紹介の手数料の相場はどれくらい?仕組みや計算方法に関しても解説」(2025年4月21日公開・2026年6月9日更新))。@SOHOの記事は「理論年収の 30% 〜 35%」としています(@SOHO「スカウト代行の費用相場」(2026年8月23日更新))。どちらも集計の方法は示されていません。

厚労省の平均は、事業所の数で割った単純平均です。大手の1社も小さな1社も同じ重みで数えます。件数の多い大手の料率が高ければ、企業が実際に払う平均はもっと上になりえます。ここは公開の数字からは確かめられません。

職種による差の背景には、採用の難しさの違いもあるでしょう。職種別の有効求人倍率は職種別の有効求人倍率にまとめています。エンジニアや営業のように料率が30%台の職種では、紹介以外の手段と比べる意味が大きくなります。

料率が高いほど定着するか

ANSWER

料率の高さは、定着の良さを示す指標になりません。厚生労働省は、医師・看護・保育・介護の4分野で、料率の高低で離職率に大きな差は見られなかったとしています。

同じ資料は、事業所ごとの手数料率と、就職後6か月以内の離職率を図に並べています(厚生労働省「職業紹介事業における職種別手数料、離職状況について」(令和6年度の手数料率実績・令和7年10月末時点の掲載分))。対象は、令和4年度に常用就職の実績があり、手数料率を開示した事業所です。図に入った事業所の数は、医師が91、看護が319です。

紹介会社を選ぶときは、料率と並べて、その会社自身の離職の実績を見ます。紹介会社には、紹介で就職した人の数を公開する義務があります。就職後6か月以内に辞めた人の数(期間の定めのない雇用。解雇などを除く)も同じです(法32条の16第3項)。料率の交渉より先に確かめたい数字です。

返金規定の型と確かめ方

ANSWER

返金規定は、紹介で入った人が短期間で辞めたときに手数料の一部を返す取り決めです。退職までの期間が短いほど返す率が高い、段階の型がよく見られます。

返金規定(返戻金制度)の有無と中身は、紹介会社が公開すべき情報の1つです(施行規則24条の8第3項5号。e-Gov法令検索「職業安定法施行規則」(昭和22年労働省令第12号))。中身は法令で決まっておらず、各社の契約で決まります。

リクルートエージェントの解説記事は、例として次の形を挙げています(リクルートエージェント 中途採用ノウハウ「人材紹介の手数料の相場はどれくらい?仕組みや計算方法に関しても解説」(2025年4月21日公開・2026年6月9日更新))。保証期間は90〜180日です。返金の率は、入社1か月以内の退職で80%、1か月以上3か月以内で50%、3か月以上6か月以内で10%。条件は紹介会社によって違う、という注記付きです。

入社から退職まで返金の率(記事の例)理論年収500万円・料率35%の場合(当編集部の計算)
1か月以内80%175万円のうち140万円
1か月以上3か月以内50%87.5万円
3か月以上6か月以内10%17.5万円

スカウト媒体の採用課金にも、返金規定を置く例が見られます。リクルートダイレクトスカウトのよくある質問にも、返金規定の記載があります。入社後6か月に退職などがあり、一定の条件を満たす場合です(リクルートダイレクトスカウト「よくあるご質問」(企業・法人向け))。

職種別の就職後6か月以内の平均離職率
職種平均離職率
全職種7.9%
医師3.0%
看護10.5%
保育12.2%
介護15.3%
一般事務・秘書・受付の職業4.4%
法人・団体管理職員4.9%
情報処理・通信技術者2.9%
経営・金融・保険の専門的職業2.0%
営業の職業5.4%
職種別の就職後6か月以内の平均離職率(令和4年度の無期雇用の就職・令和5年度の事業報告)。事業所ごとの離職率(全職種で9,730件)の単純平均で、就職件数の重みづけは無い。出典: 厚生労働省「職業紹介事業における職種別手数料、離職状況について」(令和6年度の手数料率実績・令和7年10月末時点の掲載分)

6か月以内の離職は、平均で見れば多くありません。それでも、次の6点は契約書の文章で確かめておきます。

  1. 返金の期間(何日・何か月まで)と、起算日(内定・入社・初出社のどれか)
  2. 期間ごとの返金の率
  3. 対象になる退職の理由(自己都合だけか、会社都合の解雇は除くか)
  4. 申告の期限と、必要な書類
  5. 返金か、次の請求からの減額か、代わりの人の紹介か
  6. 手数料を払う前に辞めたときの扱い

成果報酬型のスカウト代行なら、請求しない条件や申告期限が確かめどころです。項目の一覧は成果報酬型スカウト代行の選び方にまとめています。

4つの払い方を並べる

ANSWER

採用の外部費用の払い方は、人材紹介・採用課金・面談課金・月額型の4つに分けられます。違いは、費用が発生する時点と、額を決める物差しです。

払い方費用が発生する時点額の物差し公開されている例
人材紹介採用の成立(各社の契約による)理論年収×料率平均手数料率は全職種24.0%(厚労省の集計)。「35%の設定が一般的」(リクルートエージェントの記事)
採用課金入社など、各社が定める時点理論年収×料率リクルートダイレクトスカウト: 入社時の理論年収×15%(公式の料金ページ)
面談課金面談の予約・実施など、各社が定める時点面談1件の単価×件数面談課金の記事に、公開単価の例と出典
月額型契約した月から毎月月額×月数月15万〜50万円(@SOHOの記事。民間の解説記事に載っている幅)
PINSCOUT面談の予約の確定、又は入社日の採用の成立面談1件の単価、又は理論年収×料率面談1件30,000円、又は理論年収の20%(最低50万円)。税別
FIG.01払い方ごとの、費用の発生と額の決まり方。金額の例は各出典の記載どおりで、PINSCOUTも1行として同じ列に並べる。

リクルートダイレクトスカウトの料金ページは、導入費用0円・スカウト送信数の制限なしと書いています(リクルートダイレクトスカウト「費用・料金|企業・法人向け」)。よくある質問では、同社の人材紹介サービスを含めた契約になると説明しています(リクルートダイレクトスカウト「よくあるご質問」(企業・法人向け))。

面談課金の定義と数え方の違いは、面談課金とは何かが詳しい内容です。各社の料金体系の比較はスカウト代行を料金体系別に比べるで扱います。月額型・従量型の相場の幅の出典はスカウト代行の費用相場に並べました。

理論年収で総額を比べる

ANSWER

理論年収と採用の人数を入れると、4つの払い方の総額と、採用1人あたりの額が並びます。率の既定値は出典のある値だけで、単価や月額は自社の見積もりの値を入れます。

人材紹介の既定値35%は、リクルートエージェントの記事の「35%の設定が一般的」です。採用課金の15%は、リクルートダイレクトスカウトの公式の料金です。厚労省の職種別の平均に切り替えるボタンも付けました。面談の単価・件数と、月額・月数には既定値を置いていません。

採用の条件

月給×12+賞与+インセンティブの見込み

人材紹介

既定の35%は、リクルートエージェントの解説記事の「35%の設定が一般的」から

厚生労働省の職種別の平均手数料率実績(令和6年度)を入れる

採用課金(スカウト媒体・代行)

既定の15%は、リクルートダイレクトスカウトの料金ページ(入社時の理論年収×15%)から

契約に最低額があるときだけ入れます

面談課金(スカウト代行)

自社の過去の実績(面談の件数÷採用の人数)を入れます

月額型(スカウト代行)

最低契約期間があれば、その月数以上で入れます

計算できません

  • 理論年収: 金額が空欄です
  • 入力した本文と数字は、このブラウザの中だけで扱い、送信しません。
  • 計算は、入れた値の掛け算と足し算だけです。各社の見積もりではありません。
  • 税別か税込かは、入れた値に従います。返金規定・媒体の利用料・自社の工数は含みません。

面談課金の行は、採用1人に何件の面談が要るかで大きく動きます。自社の過去の実績から「面談の件数÷採用の人数」を出して入れてください。社内の工数まで含めた採用単価は、採用単価の計算ツールで外部費用と内部工数に分けて出せます。

総額だけで比べない理由

ANSWER

払い方ごとに、相手が受け持つ業務の範囲が違うためです。総額は比べる入口にとどめ、範囲・返金・時間の3点をそろえてから判断します。

人材紹介では、紹介会社が候補者を集め、求人に合う人を選んで推薦するところまで受け持ちます。ダイレクトリクルーティング(スカウト)では、候補者を探して声をかけるのが媒体や代行の仕事です。面接の調整や口説きは自社に残りやすく、その工数は総額の外です。代行に任せられる範囲と自社に残る役割はスカウト代行とはで整理しています。

返金の有無も総額を動かします。人材紹介に返金規定があれば、早く辞めたときの損は小さくて済むはずです。面談課金は採用の前に費用が確定するので、採用に至らない面談の分も払う形。月額型は、面談も採用も無い月にも費用がかかります。

採用までの時間にも差が出ます。人材紹介は推薦を待つ形で、母集団の大きさは紹介会社の登録者しだいです。スカウトは自社から声をかける形なので、送る数と文面で動かせる部分があります。どちらが合うかを分けるのは、職種と採用の急ぎ方です。

管理職・ハイクラスのように料率が高く、候補者の数も少ない職種では、紹介とスカウトを並行させる企業もあります。どの手段を組み合わせるかは、各社の契約と自社の体制を見て企業が判断します。

PINSCOUTの料金

出典

SOURCES — この記事の出典

「約99.7%」は当編集部の計算です。使ったのは、厚生労働省の集計の手数料徴収状況の表(令和6年度)です。届出制手数料980,821,781千円を、手数料合計983,454,157千円で割りました。上限制の計算例と返金額の例も、当編集部が計算しています。

FAQ

よくある質問

人材紹介の手数料に、法律の上限はありますか?
届出制の手数料には、料率の数値の上限がありません。紹介会社が厚生労働大臣に届け出た手数料表に従います。数値の上限があるのは上限制の手数料です。支払われた賃金の11%(免税事業者は10.3%)などと、施行規則の別表で決まっています。厚生労働省の集計では、手数料の約99.7%が届出制でした(令和6年度。当編集部の計算)。
紹介会社ごとの手数料率は、どこで調べられますか?
厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で調べられます。2025年4月から、紹介会社は常用就職が多い上位5職種の手数料率の実績を開示する義務を負いました。同じサイトで、就職者の数と就職後6か月以内の離職者の数も見られます。
理論年収には、残業代や賞与も入りますか?
入れて計算するのが一般的です。リクルートエージェントの解説記事が示す式は「月給(基本給+残業代+各種手当)×12+賞与+成果報酬(インセンティブ)」です。何を含めるかは紹介会社の契約で決まるので、契約書の定義を確かめてください。
紹介された人がすぐ辞めたら、手数料は返ってきますか?
返金規定がある契約なら、一部が返ってきます。退職までが短いほど返す率が高い、段階の型が多く見られます。入社1か月以内80%・3か月以内50%・6か月以内10%という例があります。返金規定の有無は紹介会社が公開すべき情報で、中身は各社の契約で決まります。