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ChatGPTでスカウト文を書く

プロンプト例と失敗

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KEY POINTS — この記事の要点

  • ChatGPTに任せてよいのは、渡した事実を文面に組み立てる作業と言い換えで、候補者の経歴と自社の条件という事実は人が選んで渡し、出力と照らして確かめる。

  • プロンプトは、求人の事実シート、送る理由の選定、1通目、材料との照合、2通目の5本に分けると、どこで事実が足されたかを追える。

  • 出力で起きる主な失敗は、事実の作り話・敬称の誤り・長さと定型句・個人情報の入れ方の4つで、事実の正しさだけは点検ツールでなく人が確かめる。

ChatGPTに任せてよい所

ANSWER

ChatGPTに任せてよいのは、渡した事実を文面に組み立てる作業と、言い換えや短縮です。候補者の経歴と自社の条件という事実は、人が選んで渡し、出力と照らして確かめます。

生成AIは、材料が足りないと、それらしい内容で穴を埋めます。スカウト文でその穴に入るのは、年収や働き方、候補者の実績です。どれも候補者が返信を決める材料なので、1つ違うだけで信用を失います。

だからこの記事のプロンプトは、書かせる前に材料を固める順番になっています。求人の事実を抜き出し、送る理由を選び、それから1通目を書かせます。書いた後は、文ごとに根拠を示させて照らします。

件名・冒頭・個別化の考え方そのものは、スカウト文の書き方にまとめています。この記事は、その書き方を生成AIで再現するときの手順と、出力で起きる失敗を扱います。AIを使うサービスの種類はAIスカウトとはで整理しています。

渡す材料を先にそろえる

ANSWER

生成AIに渡す材料は、求人の事実、候補者の経歴の要約、送る形の3つです。3つがそろわないまま書かせると、足りない所が作り話で埋まります。

材料中身入れないもの
求人の事実仕事の中身、任せる範囲、年収の幅、勤務地と出社の頻度、休日、必須と歓迎の条件社外に出していない数字、決まっていない制度
経歴の要約職種と年数、担った業務、扱った商材や技術、プロフィールに書かれた希望氏名、連絡先、今の勤め先の社名、顔写真、媒体のURL
送る形件名と本文の字数、1文の長さ、名乗り、次の一歩(面談の形と日程調整)候補者の年齢や性別で文面を変える指示

求人の事実は、求人ごとに1回だけ作れば使い回せます。候補者ごとに変えるのは、経歴の要約と、そこから選ぶ理由だけです。毎回変える所を小さくすると、確かめる手間も小さくなります。

経歴の要約は、媒体のプロフィールを丸ごと貼らず、必要な行だけを抜き出して作ります。氏名や社名を消すのは、個人情報の扱いのためでもあり、出力に名前の誤記を混ぜないためでもあります。理由は失敗4で詳しく書きます。

プロンプト5本の全文

ANSWER

プロンプトは、事実シート、送る理由、1通目、照合、2通目の5本を順に使います。どれも全文をそのままコピーして、括弧の中を自社の材料に差し替えて使えます。

5本に分けるのは、1本で全部を頼むと、どこで事実が足されたかを追えないからです。工程を分けると、出力を1つずつ確かめてから次へ進めます。ChatGPT のほかの生成AIでも、同じ文のまま使えるように書いています。

字数の目安は、スカウト文の点検ツールの判定に合わせています。点検ツールは件名10〜40字、本文200〜800字、1文80字以内を合格の範囲にしています(当社の見立て)。プロンプトでは、その内側に収まるよう少し短めに指定しています。

プロンプト1: 求人の事実シートを作る

求人ごとに1回だけ使います。求人票から、スカウト文に書いてよい事実だけを抜き出させます。

PROMPT 1 — 求人の事実シートを作る

あなたは中途採用の担当者の補佐です。下の求人票から、スカウト文に書いてよい事実だけを抜き出して、表にしてください。

# 決まり
- 求人票に書かれていることだけを使う。言い換えはしてよいが、数字・固有名詞・条件は原文のまま写す。
- 書かれていない項目は「記載なし」とする。推測で埋めない。
- 項目は次の順にする: 仕事の中身/任せる範囲/チームの人数と体制/年収の幅/勤務地と出社の頻度/勤務時間と残業/休日/必須の条件/歓迎の条件/選考の流れ/この求人ならではの点(3つまで)。
- 最後に、スカウト文に書くと誤解を招きそうな表現(「アットホーム」「やりがい」など)を一覧にする。

# 求人票
(ここに自社の求人票を貼る)

確かめること: 「記載なし」になった項目は、送る前に人事か現場に確かめて埋めます。空いたまま次へ進むと、後のプロンプトで穴を推測で埋めやすくなります。

プロンプト2: 送る理由を3つ選ぶ

候補者ごとに使います。経歴の記述と事実シートの項目を結びつけ、送る理由の候補を出させます。

PROMPT 2 — 送る理由を3つ選ぶ

下の「事実シート」と「候補者の経歴の要約」を読み、この候補者にスカウトを送る理由の候補を5つ挙げてください。

# 決まり
- 理由は1つずつ、「経歴のどの記述」と「事実シートのどの項目」が結びつくかを示す。
- 経歴の要約に書かれていないことを、候補者の希望や性格として決めつけない。推測を含む理由には「推測」と付ける。
- 年齢・性別・国籍・家族の状況を理由にしない。
- 5つのうち、推測を含まず具体の強い順に3つを選び、選んだ理由を1文で書く。

# 事実シート
(プロンプト1の出力を貼る)

# 候補者の経歴の要約
(氏名・連絡先・今の勤め先の社名を消した要約を貼る)

確かめること: 「推測」の付いた理由は使いません。選ばれた3つが、経歴の要約の文にそのまま戻れるかを目で確かめます。

プロンプト3: 1通目を書く

プロンプト2で選んだ3つの理由と、事実シートだけを材料にして、件名と本文を書かせます。

PROMPT 3 — 1通目を書く

次の材料だけを使って、スカウトの1通目を書いてください。

# 書く形
- 件名: 10〜40字。理由の1つ目に使った経歴の具体が分かる1文にする。【】や感嘆符を使わない。
- 本文: 400〜600字。1文は60字以内。
- 構成: 名乗りと用件(2文)→ 送った理由3つ → 条件(年収・勤務地と働き方・休日)→ 次の一歩(30分のオンライン面談と、日程調整のリンク)。
- 宛名は「〇〇様」とだけ書く。敬称を重ねない。候補者の今の勤め先を「御社」「貴社」と呼ばない。
- 書き出しに「突然のご連絡」「はじめまして」などの定型の挨拶を置かない。
- 「素晴らしいご経歴」「ぴったり」「やりがい」のような、誰にでも言える褒め言葉を使わない。
- 材料に無い事実(数字・制度・実績・社名)を足さない。足りない所は「〇〇(要確認: 何が足りないか)」と書く。
- 日程調整のリンクは「(日程調整のURL)」と書く。

# 名乗り
(会社名・部署・担当者名)

# 送る理由3つ
(プロンプト2の出力から、選んだ3つを貼る)

# 事実シート
(プロンプト1の出力を貼る)

# 文面の型(任意)
(例文集から、近い状況の型を1つ貼る)

確かめること: 「〇〇」が残った所は、材料が足りなかった所です。人が事実を確かめて埋めます。埋められない文は消します。

プロンプト4: 下書きを材料と照らす

1通目を書かせた後、同じ会話か新しい会話で使います。文ごとに根拠を示させ、根拠の無い文をあぶり出します。

PROMPT 4 — 下書きを材料と照らす

あなたは厳しい校閲者です。下の「下書き」を「材料」と照らして点検してください。直した文面は、まだ書かないでください。

# 点検すること
1. 下書きの文を1つずつ表にし、根拠になった材料の箇所を横に書く。根拠が無い文は「根拠なし」とする。
2. 数字・社名・制度・資格・人数が、材料と1字でも違う所を挙げる。
3. 敬称の誤り(様の重なり、「各位」、候補者の今の勤め先を「御社」「貴社」と呼ぶ)を挙げる。
4. 60字を超える文と、本文の字数を挙げる。
5. 候補者の名前を消しても、誰にでも送れてしまう文を挙げる。
6. 年齢・性別で対象を絞って読める表現を挙げる。

# 材料
(事実シートと、送る理由3つを貼る)

# 下書き
(プロンプト3の出力を貼る)

確かめること: 「根拠なし」の文は、直すより消す方が安全です。表の根拠の欄も、人が材料と見比べて確かめます。

プロンプト5: 2通目と短い版を作る

1通目に返信が無いときの再送と、文字数の上限が小さい媒体向けの短い版を、まとめて作らせます。

PROMPT 5 — 2通目と短い版を作る

下の1通目を送りましたが、返信がありません。2通目(再送)を書いてください。あわせて、1通目を250字以内に縮めた版も作ってください。

# 2通目の決まり
- 本文は200〜300字。1文は60字以内。
- 1通目と同じ文を使い回さない。1通目で書かなかった事実を、事実シートから1つだけ足す。
- 返信を急かさない。「ご返信がなく」「再度のご連絡となり恐縮ですが」で始めない。
- 断りやすい一言を入れる(例: 今は転職を考えていない場合は、その旨だけ返していただければ十分です)。
- 材料に無い事実を足さない。足りない所は「〇〇(要確認: 何が足りないか)」と書く。

# 短い版の決まり
- 送った理由は1つ目だけを残す。条件と次の一歩は消さない。

# 1通目
(送った1通目を貼る)

# 事実シート
(プロンプト1の出力を貼る)

確かめること: 2通目で足した事実が、事実シートにあるかを確かめます。短い版は、条件と日程調整のリンクが残っているかを見ます。

プロンプト3の「文面の型」には、例文集の型を貼れます。状況別の型はスカウトメールの例文集にあり、そのままコピーできます。

出力の悪い例と直した例

ANSWER

材料を渡さずに「スカウト文を書いて」と頼むと、経歴に無い実績と、求人と違う条件が混ざった文面になりがちです。下の例は、その典型を架空の求人と候補者で再現したものです。

候補者の設定(架空): 中小企業向けのSaaSで法人営業を4年。新規開拓を担当し、2年目からチームの数字の集計も担う。プロフィールの希望は「顧客の業務に深く入る提案をしたい」。

求人の設定(架空): 物流会社向けの在庫管理のクラウド。導入後の顧客への提案営業。チームは5名。年収520万〜700万円。東京・品川で週2日の出社。土日祝が休み。

BAD — 材料を渡さずに書かせた文面(架空)

件名: 【特別なご案内】〇〇様様へ、営業リーダー候補のお誘い

はじめまして。株式会社△△の採用担当です。〇〇様の素晴らしいご経歴を拝見し、ぜひ一度お話ししたくご連絡いたしました。〇〇様は前職で10名のチームを率い、売上を前年比150%に伸ばされたと拝察します。当社はフルリモートで、年収は800万円以上も可能です。貴社でのご経験を、当社でも活かしていただけると確信しております。やりがいのある環境で、一緒に成長しませんか。ご興味があればご返信ください。

この文面には、次の問題があります。

  • 経歴に無い実績: 「10名のチームを率い」「前年比150%」は、経歴のどこにも書かれていません。
  • 求人と違う条件: 実際は週2日の出社で、年収の上限は700万円です。
  • 敬称と呼び方: 「様様」と敬称が重なり、候補者の勤め先を「貴社」と呼んでいます。
  • 定型の言葉: 「はじめまして」で始まり、「素晴らしいご経歴」「やりがい」は誰にでも送れる言葉です。
  • 次の一歩が無い: 面談の形も日程調整の方法も書かれていません。

同じ候補者に、5本のプロンプトの手順で書いて人が直した文面が次です。

GOOD — 材料だけで書き、人が確かめた文面(架空)

件名: SaaSの新規開拓4年のご経験を、導入後の提案で活かしませんか

〇〇様

株式会社△△で採用を担当している◯◯です。中小企業向けのSaaSで、4年間新規開拓を担われたご経歴を拝見しました。導入後のお客様への提案を任せられる方を探しており、ご連絡しました。

送った理由は3つあります。1つ目に、当社は物流会社向けに在庫管理のクラウドを売っており、導入後の提案が手薄です。2つ目に、「顧客の業務に深く入る提案をしたい」というご希望は、この仕事の中身そのものです。3つ目に、チームの数字を集計されてきた経験は、5名のチームの提案の振り返りで活かせます。

条件は、年収520万〜700万円、勤務地は東京・品川で週2日の出社、休みは土日祝です。

まずは30分のオンライン面談で、仕事の中身をお話しします。下のリンクから、ご都合のよい日時を選べます。

(日程調整のURL)

直した文面の「〇〇様」「◯◯」「(日程調整のURL)」は、送る直前に人が埋める所です。点検ツールに貼ると、伏せ字が残っていれば差し込み漏れとして知らせます。

失敗1 事実を足してしまう

ANSWER

いちばん多く、いちばん害の大きい失敗は、材料に無い事実が文面に足されることです。防ぐには、足りない所を伏せ字で残させ、書いた後に文ごとの根拠を示させます。

足されやすい事実は、おおむね次の3種類です。

足されやすい事実例起きること
候補者の実績率いた人数、売上の伸び、資格本人が読めばすぐ違うと分かり、読まれていないと受け取られる
自社の条件リモートの可否、年収の上限、残業の少なさ面談で食い違いが出て、辞退の理由になる
自社の実績や評判業界での順位、受賞、取引先の社名確かめられない誇張になり、会社の信用を損なう

条件の食い違いは、辞退に直結します。求人の情報と面接の話の食い違いは、候補者が入社をやめる理由として調査でも挙がっています。この調査の数字は、採用の定石の記事で出典とともに紹介しています。

防ぎ方は2つです。1つは、プロンプト3のように「足りない所は〇〇(要確認)と書く」と指示することです。書けない所が見えるので、人が埋めるか消すかを選べます。もう1つは、プロンプト4で文ごとに根拠を示させることです。「根拠なし」の文は、直さずに消します。

生成AIに「事実だけを使って」と頼んでも、守られるとは限りません。最後に材料と見比べるのは人の仕事です。ここを省くと、AIで速くなった分を、食い違いの説明に使うことになります。

失敗2 敬称と呼び方の誤り

ANSWER

生成AIの出力では、敬称の重なり、「各位」、候補者の勤め先を「御社」「貴社」と呼ぶ誤りが起きます。どれも1対1の手紙では失礼に当たるので、点検の項目に入れておきます。

出力でよく見る誤りと、直し方を並べます。

  • 敬称の重なり: 「〇〇様様」「〇〇様殿」。宛名を差し込む欄にすでに「様」がある媒体で起きやすくなります。宛名は1か所だけにします。
  • 「各位」: 1人に送る文面に「ご担当者各位」が入ります。一斉送信の文面を学んだ型が混ざっています。
  • 勤め先の呼び方: 候補者は会社の代表ではなく個人です。今の勤め先は「今のお勤め先」「前職」と書きます。
  • 名前の誤記: 名前を入れて書かせると、漢字や読みが変わることがあります。名前は入れずに書かせ、送る直前に人が入れます。
  • 過剰な敬語: 「拝察いたします」「ご高覧賜りますよう」。丁寧さより読みにくさが勝つので、です・ますに戻します。

敬称の誤りは、点検ツールの「敬称の誤り」の項目で見つけられます。名前の誤記は文字列では分からないので、送る前に媒体のプロフィールと見比べます。

失敗3 長く、定型になる

ANSWER

字数を指定しないと、出力は挨拶と会社紹介で長くなり、誰にでも当てはまる言葉が増えます。字数と1文の長さ、使わない言葉を、プロンプトの中で数字と語で指定します。

忙しい候補者に、長いスカウトを読んでもらうのは簡単ではありません。媒体の運営会社の解説は、伝えたいことを端的に伝えるよう勧めています。スマートフォンでメールを読む機会が増えたので、分量を調整するとよい、という指摘もあります。出典は、記事末のリクルートダイレクトスカウトの解説です。

長くなる原因は、たいてい次の3つです。

  1. 「突然のご連絡失礼いたします」などの定型の書き出し
  2. 会社の沿革や理念の説明
  3. 同じ内容を言い換えた締めの段落

「短く」とだけ頼んでも、どこまで短くするかは伝わりません。「本文400〜600字、1文60字以内」のように数字で指定します。使わない言葉も、プロンプト3のように語で並べます。

ただし、短くしすぎると条件と次の一歩が消えます。プロンプト5の短い版で「条件と次の一歩は消さない」と書くのはそのためです。どの段落を削っても、送った理由・条件・次の一歩の3つは残します。

媒体ごとに、件名や本文の字数の上限が決まっていることがあります。上限は媒体の画面やヘルプで確かめ、プロンプトの字数をその内側に合わせます。

失敗4 個人情報の入れ方

ANSWER

候補者の経歴を生成AIに貼る前に、氏名や連絡先を消し、使うサービスが入力を学習に使うかを確かめます。個人情報保護委員会も、事業者が個人情報を含むプロンプトを入れる場合の注意点を示しています。

個人情報保護委員会の注意喚起

個人情報保護委員会は、2023年6月2日に生成AIサービスの利用に関する注意喚起を出しました。事業者向けの注意点は2つです。

  • 個人情報を含むプロンプトを入れる場合、利用目的を達成するのに必要な範囲かを十分に確かめること。
  • 本人の同意なく個人データを含むプロンプトを入れ、応答の出力以外の目的で扱われると、法律に違反する可能性があること。そのため、サービスの提供者が機械学習に使わないこと等を十分に確かめること。

ChatGPTの学習の設定

OpenAI のヘルプ(2026年11月3日に確認)には、次のように書かれています。

使い方入力を学習に使うか(公式の記載)
個人向け(Free・Plus・Pro)使うことがある。Settings の Data controls で「Improve the model for everyone」をオフにするか、Privacy Portal で「Do not train on my content」を選ぶと、その後の新しい会話は使わない
オフにした後の評価個人向けでは、回答に良い・悪いの評価を送ると、その会話全体が学習に使われることがある
一時チャット一時のままなら学習に使わず、履歴にも残らない。安全のため、最大30日は写しを保つことがある
業務向け(Business・Enterprise・Edu)と API既定では、入力と出力を学習に使わない

設定の名前や中身は、改訂で変わることがあります。使う前に、OpenAI の公式のヘルプで最新の記載を確かめてください。ChatGPT 以外の生成AIは、データの扱いがサービスごとに違うので、各社の公式の説明を読みます。

入れ方の決まりを作る

実務では、次の3つを社内の決まりにしておくと迷いません。

  1. 氏名・連絡先・今の勤め先の社名・顔写真・媒体のURLは入れない。
  2. 経歴は、スカウトの理由に使う行だけを要約して入れる。健康や家族の事情など、選考に関係の無い情報は入れない。
  3. どのサービスのどの設定で使うかを決め、担当者の個人の契約で使わない。

媒体の候補者の情報を外部のサービスに貼ってよいかは、媒体の利用規約で決まります。規約の確認と使ってよいかの判断は、媒体を契約している自社の責任で行います。

失敗5 一斉送信に戻る

ANSWER

生成AIで速く書けるようになると、同じプロンプトで大量に作り、読まずに送る運用に戻りがちです。理由の3つを候補者ごとに選び、1通ずつ人が読んでから送ります。

同じ材料で書かせた文面は、名前を変えても中身がほとんど同じになります。それでは、テンプレートを一斉に送るのと変わりません。候補者ごとに変わるのは、プロンプト2で選ぶ理由です。この工程を省くと、AIを使う意味が無くなります。

1通ずつ送るスカウトは、一斉送信より返信率が高いという分析があります。LinkedIn は自社の媒体のデータで、1通ずつ送ったスカウトの返信率が一斉送信より約15%高いとしています。対象は2021年5月〜2022年4月に送られた数千万通で、海外の媒体の数字です。日本の媒体でも同じ差が出るかは、この分析からは分かりません。

OpenAI の利用ポリシーにも関係する項目があります。2025年10月29日版は、スパムやなりすましを禁止の例に挙げています。雇用などの分野で、人の確認を経ずに重要な判断を自動化することも、同じく例に挙がっています。2026年11月20日に発効する改訂版では、判断に加えて、行為・取引・提出なども対象に書かれています。

自社の使い方がこれらに当たるかは、原文を読んで自社で判断します。人が1通ずつ読んで送る運用なら、品質の面でも、この判断の面でも迷う所が減ります。

返信が来た後の流れも、人が受け持ちます。返信率の測り方はスカウトの返信率の目安と上げ方にあります。返信から面談までの設計はスカウトの面談設定率を上げる方法にまとめています。

点検ツールで確かめる

ANSWER

生成AIで書いた文面は、送る前に点検ツールに貼って、敬称・長さ・定型句・差し込み漏れを確かめます。事実が正しいかはツールでは分からないので、プロンプト4と人の目で確かめます。

スカウト文の点検ツールは、貼った文面を10項目で見ます。本文はブラウザの中だけで扱い、どこにも送信しません。この記事の失敗と、ツールの項目の対応は次のとおりです。

失敗点検ツールの項目ツールで分かるか
事実を足す(該当なし)分からない。プロンプト4と人の目で確かめる
経歴に触れていない経歴への具体的な言及候補者の語を入れたときだけ分かる
敬称の誤り敬称の誤り重なり・各位・御社と貴社は分かる。名前の誤記は分からない
伏せ字の残り差し込み漏れ〇〇や【氏名】などが残っていれば分かる
長すぎる件名の長さ・本文の長さ・1文の長さ分かる
定型の言葉定型の書き出し・決まり文句一覧にある語なら分かる
条件と次の一歩の抜け求人の具体・次の一歩の明示分かる
年齢・性別の表現年齢・性別の表現よくある表現なら分かる。例外に当たるかは送る側が判断する

ツールの「候補者の語」の欄には、経歴の要約にある語(商材の名前や担った業務)を入れます。入れると、文面がその人の経歴に触れているかも確かめられます。求人の文面で年齢や性別を書くときの決まりは、求人票の必須項目の記事で扱っています。

例文集を材料に使う

ANSWER

生成AIに一から書かせるより、近い状況の例文の型を渡す方が、構成の崩れが少なくなります。型は構成の見本にとどめ、理由と条件は候補者と求人の事実で書き換えます。

スカウトメールの例文集には、初回・再送・転職意欲が分からない人など、状況別の型があります。プロンプト3の「文面の型」に1つ貼ると、名乗り・理由・条件・次の一歩の並びがそろいます。

職種ごとの例文もあります。エンジニアに届くスカウトメールの例文は、扱う技術の書き方の見本です。介護職に送るスカウトメールの例文では、勤務の条件の書き方が分かります。営業職や施工管理の例文も、例文集のページから選べます。

職種によって、理由に入れたい具体は違います。エンジニア採用では技術の課題と開発の進め方が、看護・介護の採用ではシフトや夜勤の有無が先に読まれます。プロンプト2で理由を選ぶときは、その職種の候補者が気にする点から選びます。

型をそのまま貼って送るのは避けます。型の言葉が残ると、ほかの会社が同じ型で送った文面と似てしまいます。型から借りるのは並び順だけにします。

書く手間を減らす別の道

ANSWER

この記事の手順は、1通ごとに材料をそろえて照らす分、時間がかかります。その手間ごと任せるなら、1人ずつ書いて送るスカウト代行を使う方法があります。

出典

SOURCES — 2026年11月3日までに原文を確認

生成AIのデータの扱いと利用ポリシーは、確認した日の公式の記載です。改訂で変わることがあるので、使う前に各社の公式で確かめてください。この記事の例文と候補者・求人の設定は、すべて架空です。誤りに気づいたときは、お問い合わせから知らせてください。

FAQ

よくある質問

無料版のChatGPTに、候補者の経歴を貼ってもよいですか?
OpenAI のヘルプでは、個人向け(Free・Plus・Pro)の会話は学習に使われることがあり、設定でオフにできるとされています。個人情報保護委員会は、事業者が個人データを含むプロンプトを入れるなら、提供者が機械学習に使わないこと等を十分に確かめるよう求めています。氏名や連絡先は消し、使ってよいかは媒体の規約も含めて自社で判断してください。
ChatGPTに「事実だけで書いて」と頼めば、作り話は防げますか?
防げるとは限りません。足りない所を「〇〇(要確認)」と残させる指示と、書いた後に文ごとの根拠を示させる照合を組み合わせます。最後に材料と見比べるのは人です。根拠の無い文は、直すより消す方が安全です。
ChatGPT以外の生成AIでも、このプロンプトは使えますか?
特定の機能に頼らない書き方にしているので、文はそのまま使えます。ただし、入力を学習に使うか、どの設定で止められるかはサービスごとに違います。データの扱いは、使うサービスの公式の説明で確かめてください。
生成AIで書いたスカウト文に、AIで書いたと書く必要はありますか?
OpenAI の利用規約(2026年1月1日発効)は、人が作り出したものではない出力を、人が作り出したものと表示することを禁止の例に挙げています。人が手を入れた文面をどう表示するかは、使うサービスと媒体の規約の原文を読み、自社で判断してください。