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営業の採用が難しい理由と、採用単価の考え方

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KEY POINTS — この記事の要点

  • 営業職業従事者の有効求人倍率は2026年9月に2.05倍で、全職業の1.08倍より高い(厚労省の一般職業紹介状況、パート込みの原数値)。直近13か月のどの月も、全職業を上回った。

  • 営業は職業分類で8つに分かれる。採用では、売る物・売る相手・売り方の3つの軸で前の仕事との近さを見ると、対象を広げられる。

  • 採用単価は(外部の費用+社内の工数)÷採用した人数。人材紹介を使うなら、理論年収に歩合をどう入れるかを契約の前に確かめる。

営業の採用が難しい理由

ANSWER

営業の採用が難しいのは、求人の数が求職者を上回っているからです。そのうえ「営業経験あり」の中身が会社ごとに違い、同じ職種名で探しても合う人は一部しかいません。

原因は、次の3つに分けられます。

  1. 求人が多い: 営業の職業の求人倍率は、職業計の約1.9倍です。
  2. 経験が移しにくい: 売る物・売る相手・売り方が違うと、前の会社の成績がそのまま当てはまりません。
  3. 成果を出す人ほど動かない: 目標を達成している人は、今の会社で評価されています。転職の理由が見えにくい層です。

2つ目と3つ目は、求める経験を言葉にすることと、声のかけ方で変えられます。もう1つの論点は費用です。複数名をまとめて採るときは、1人あたりの費用の差が人数分だけ積み上がります。後半で採用単価の考え方を整理します。

営業職の求人倍率

ANSWER

2026年9月の「営業職業従事者」の有効求人倍率は2.05倍でした。同じ月の職業計は1.08倍で、営業は全体よりも人を集めにくい職業です。

営業の職業と全職業の有効求人倍率(パートの有無別)
分類パート込みパート抜き前年同月(2025年9月・パート込み)
営業職業従事者2.05倍2.19倍2.11倍
職業計1.08倍1.18倍1.10倍
営業の職業と全職業の有効求人倍率(パートの有無別)(2026年9月)。パート込みの列は参考統計表6、パート抜きの列は表7-2から取った。どちらも全国の常用の求人・求職で、季節の上下をならす前の値。営業の行は、平成21年12月の職業分類で、営業の8つの小分類をまとめた中分類。出典: 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年9月分)について」(2026年10月30日公表)

2026年9月の有効求人は71,528件、有効求職者は34,908人です。仕事を探す人1人に、約2.0件の営業の求人がある計算になります。

直近13か月の値は1.99倍〜2.21倍で、大きくは動いていません。正社員の採用に近いパートを除いた値は2.19倍です。この1年は、特定の月だけ高いのではなく、人が足りない状態が続いていたと読めます。

この表はハローワークの中の数です。民間の転職サイトや人材紹介の動きは含みません。営業以外の職業と並べた順位と月ごとの動きは、職種別の有効求人倍率の一覧に載せています。

営業は1つの職種ではない

ANSWER

国の職業分類では、営業職業従事者は売る物で8つに分かれています。採用では、売る物に加えて、売る相手と売り方の3つで経験を見ます。

この分類は、総務省の日本標準職業分類(平成21年12月設定)によります。営業の小分類は、売る物で分けた8つです。食料品、化学品、医薬品、機械器具(通信機械器具を除く)、通信・システム、金融・保険、不動産、その他、の営業職業従事者が並びます。上の倍率は8つを1つにまとめた値で、この表に小分類ごとの値はありません。

採用の要件を決めるときは、次の3つの軸で、前の仕事と自社の仕事の近さを見ます。

軸違いの例移しやすさの目安
売る物有形か無形か、単価、契約の長さ知識は入社後に覚えられる。単価と契約の長さが近いと立ち上がりが早い
売る相手法人か個人か、担当者か経営者か相手の決め方が違うと、商談の進め方が変わる
売り方新規の開拓か既存の深耕か、訪問か内勤か、分業か1人で完結か日々の行動が変わるので、いちばん移しにくい

たとえば、法人向けのITサービスを新規で開拓してきた人がいるとします。同じ法人向けの無形の商材なら、業界が違っても売り方は近いと考えられます。反対に、個人向けの住宅を売ってきた人が法人向けのルート営業に移ると、売る物・相手・売り方の3つが全部変わります。どちらが良いかではなく、立ち上がりにかかる時間の見込みが変わる、という話です。

「営業経験3年以上」だけで探すと、この3つがばらばらな人が集まります。逆に、3つのうち2つが近ければ、業界が違っても候補に入れてよい、と決めておくと対象が広がります。

採用単価の考え方

ANSWER

採用単価は、ある期間の採用にかかった外部の費用と社内の工数を足し、その期間に採用した人数で割った値です。外部の費用だけで割ると、社内の負担の重い方法が安く見えます。

「採用コスト」と「採用単価」は混同されがちです。採用コストは期間中の総額で、採用単価はそれを人数で割った1人あたりの額です。年に何人採るかで総額は大きく変わるので、方法どうしを比べるときは採用単価を使います。

FIG.01採用単価の式と、その中身。社内の工数は、関わった人の時間に時給をかけて金額にする。

営業の採用で、この式を使うときの注意は4つです。

  1. 期間と人数をそろえる: 媒体の月額は採用がゼロの月にもかかります。半年や1年でまとめて割ると、方法どうしを比べやすくなります。
  2. 工数を金額にする: スカウトを自社で送るなら、候補者探し・文面・返信・日程の時間を数えます。営業の管理職が面接に出る時間も入れます。
  3. 早期の離職を別に数える: 入って数か月で辞めると、同じ費用をもう一度かけます。採用単価と並べて、半年後に残った人数も記録します。
  4. 立ち上がりの期間は混ぜない: 入社から一人前に売れるまでの給与は、採用単価とは別に見ます。混ぜると、未経験の採用だけが高く見えます。

営業の採用の期間と人数を採用単価の計算ツールに入れると、経路ごとの1人あたりが並びます。他社の平均と比べたいときは、調査ごとに数え方が違う点に気をつけます。比べ方の注意は公的な調査の採用費用の記事に書きました。

理論年収と歩合の扱い

ANSWER

人材紹介の手数料は、多くの場合「理論年収×料率」で決まります。営業には歩合やインセンティブのある求人があり、理論年収に何を入れるかで費用が変わります。

理論年収は、入社の時点で見込む1年分の給与です。基本給と固定の手当は入れるのがふつうです。賞与や歩合をどこまで入れるかは、紹介会社との契約で決まります。

契約の前に、次の3点を書面で確かめます。

  • 歩合を入れるか: 入れるなら、どの額で見込むか。前年の平均か、内定の通知に書いた額か。
  • 見込みと実際がずれたとき: 1年後の実際の年収で手数料を直すか、直さないか。
  • 早く辞めたとき: 返金の割合と期間。営業は入社後の早い時期の離職が、費用に直接響きます。

料率そのものの決まりと職種ごとの実績は、紹介手数料の料率の記事で扱っています。紹介のほかに、面談や入社の時点で払う外注もあり、払う時点の違いは成果報酬の採用代行の比べ方で整理しました。

採りたい人ごとの経路

ANSWER

経路は「誰を採りたいか」から選びます。同業の経験者・異業種の営業経験者・営業が未経験の人では、届きやすい経路も費用の出方も違います。

採りたい人届きやすい経路採用単価で見ること
同業の経験者スカウト、人材紹介手数料か成果の料金が大きい。そのぶん立ち上がりは早い
異業種の営業経験者スカウト、求人サイト3つの軸の近さで対象を決める。外れると面接の工数が増える
営業が未経験の人求人サイト、ハローワーク、社員の紹介外部の費用は小さくなりやすい。研修の時間は別に見る

未経験の人を採る場合は、営業の経験の代わりに、接客や販売、問い合わせの対応など、人と話して結果を出した経験を見ます。面接では「誰に、何を、どう伝えて、どうなったか」を具体的に聞くと、売り方の素地が分かります。入社後の研修の期間と、独り立ちの目安を先に決めておくと、候補者も判断しやすくなります。

1つの求人で全部の層を狙うと、原稿もスカウトも焦点がぼやけます。層ごとに求人を分けると、応募の数と採用単価を層ごとに比べられます。

営業の社員に知人を紹介してもらう場合、報奨の払い方には職業安定法第40条が関わります。賃金として払うかどうかを含め、制度の形と可否は会社が決めます。

経路ごとに数字を残す

ANSWER

採用単価を下げたいときは、平均の値ではなく経路ごとの内訳を見ます。どの段で人が抜けているかが分かると、費用をかける場所を変えられます。

経路ごとに、少なくとも次の項目を同じ期間で記録します。

記録する項目何が分かるか
接点の数(応募・返信・推薦)その経路で、そもそも人に届いているか
面談・面接の数届いた人のうち、話を聞く段まで進む割合
内定と入社の数選考の途中で他社に決まっていないか
半年後に残った人数採用単価が安く見えても、すぐ辞めていないか
外部の費用と社内の時間採用単価の式に入れる分子

接点は多いのに面談が少ないなら、声をかける相手か文面がずれています。面談は多いのに内定が出ないなら、要件の決め方か面接の基準を見直します。半年後に残る人数が少ない経路は、採用単価が安くても続ける価値を考え直します。

費用を面談の件数で払う型なら、面談が1件入るたびに費用が決まるので、この記録とそのまま照らせます。採用が決まったときに払う型なら、入社の数と半年後の在籍を見ます。

スカウトで経験者に届ける

ANSWER

今の会社で成果を出している営業には、こちらから声をかけないと会えません。スカウトでは、売る物・売る相手・評価の仕組みの3つを最初に示します。

営業の候補者がまず確かめるのは、自分の経験が通じるかと、成果がどう給与に返るかです。商品の説明より、顧客の業種と商談の進め方、目標の決め方と歩合の仕組みを先に書きます。

  • 売る物: 何を、どのくらいの単価と契約の長さで売るか。候補者の今の商材との近さが分かる書き方にします。
  • 売る相手: 顧客の業種と規模、商談の相手が担当者か経営者か。
  • 評価の仕組み: 目標を誰がどう決めるか、達成したときに給与へどう返るか。

候補者のプロフィールに担当した顧客や商材が書かれていれば、そこと自社の仕事の重なりを1つ挙げます。重なりが無いのに「ご経験を拝見し」と書くと、一斉送信と見分けがつきません。

新規開拓向け・ルート営業向けなど、場面ごとの全文は営業のスカウト文例に置いています。書いた文面は点検ツールに貼ると、商材や評価の書き漏れが見つかります。

技術職と比べると、営業は経験の名前より中身のずれが問題になりやすい職種です。技術職の事情はエンジニア採用の記事に、職種ごとの進め方は職種別のページにまとめています。

営業の採用をPINSCOUTに任せるとき

ANSWER

PINSCOUTでは、候補者が扱ってきた商材・顧客・売り方を専属のAIが読み、自社の営業との近さを理由にして1通ずつ書きます。費用がかかるのは、面談か採用が決まったときです。

出典

SOURCES — この記事の出典

FAQ

よくある質問

営業の求人倍率は、パートを除くと変わりますか?
変わります。2026年9月の営業職業従事者は、パート込みで2.05倍、パート抜きで2.19倍でした(厚生労働省の一般職業紹介状況)。正社員の営業を採るなら、パート抜きの値の方が実態に近い目安です。どちらもハローワーク経由の求人と求職に限った数字です。
営業の採用単価は、どう計算しますか?
ある期間の外部の費用(紹介の手数料・掲載料・媒体の利用料など)と、社内の工数を金額にしたものを足し、その期間に採用した人数で割ります。入社後に一人前に売れるまでの給与は、採用単価とは別に見ると、経験者と未経験の採用を公平に比べられます。
歩合がある営業の求人で、紹介の手数料はどう決まりますか?
多くの紹介会社は、入社時に見込む年収に料率をかけて手数料を出します。歩合をその年収に入れるか、入れるならどの額で見込むかは、紹介会社との契約しだいです。見込みと実際がずれたときの扱いも、契約の前に書面で確かめます。
異業種の営業経験者は、採用の対象になりますか?
なります。売る物・売る相手・売り方の3つのうち2つが近ければ、業界が違っても立ち上がりやすいと考えて、対象に入れる会社があります。どの軸を重く見るかは、自社の営業の進め方に合わせて決めます。